数学的なベクトルとは「大きさと向きを持つ量」という意味です。
ビジネスシーン・日常生活では、「考え方の方向性」を表しています。
数学的なベクトルの具体例
例えば、
- 重力
- 自動車や飛行機の速度
- 風速と風向き
などの「力」(ちから)を表しています。
以下は同じ風速ですが、風向きが違うので「別の」ベクトルとなります。
- 毎秒10mの「南」風
- 毎秒10mの「東」風
ベクトルの対義語は「スカラー」!!あの「宗教」との違いは?
ベクトルと違い、大きさのみで方向を持たないものを「スカラー」と呼びます。
例えば、面積や体積など「量」を表しています。
ちなみに、
- 「速度」はベクトル
- 「速さ」はスカラー
※昔、ニュースを騒がせた怪しい宗教の「スカラー波」とは全く関係ありません。
ビジネス・日常会話でのベクトルの例文
- 「夫とベクトルが違うので、離婚届を突きつけた」
- 「彼とはベクトルが合うので、あの女狐から略奪婚の計画を立てている」
- 「組織内のベクトルがバラバラで、今月も労働基準法違反で怒られる」
- 「ボーカルとベースのベクトルの違いで、町内会のオヤジバンドが解散した」
- 「私はかつて、ただ1つのベクトルに長けた天才だと妄信していた」
上記の普段の会話の例文から、以下のような意味合いを持っています。
- 方向性
- 目指す視点
- 人生の考え方
- 思いの大きさの違い
- 物事の向かう方向や情勢。
- 倫理観
- 音楽性
- 才能・長所
合唱・発声におけるベクトルの使い方
「発声のベクトルを前に、合わせて歌う」
この場合、単純に声の向きを表しています。
腹から前方に声を出すこと。
対戦ゲームにおけるベクトルの使い方
この場合のベクトルは相手キャラクターが吹っ飛ぶ方向を表しています。
その方向を強制的に変えることを「ベクトル変更」と言います。
ベクトルの由来はラテン語
ベクトル(vektor・vector)の語源はラテン語(vehere)の「運ぶ」から来ています。
荷物を載せた船でA点からB点まで運ぶ、という考えもベクトルでよく例えられます。
起点から終点までを、ある速度で運ぶという意味で、大きさと方向を表していますね。
【余談コラム】数学のベクトルは大人になってから役立つの?
学生時代に
「何のためにベクトルなんて勉強するの?」
と思ったことはないでしょうか?
正直なところ、普段の生活で意識している人は少ないのが現状です。
概念として覚えておくと、将来において別の考えや課題に直面した際に、応用しやすいという程度でしょうか。
以下のような、工学系の分野で活用しています。
- 数学
- 物理学
- 土木工学
- 建築工学
力の加わり方を解析、計算する分野などでよく使われます。
近年では耐震強度などで役立っていますね。
他にも経済学で、消費ベクトル・生産ベクトルのような概念を使用しています。